パンに救われた思い出


みなさま、パンはお好きですか。私は好きです。

パン屋のパン、コンビニのパン、手作りのパン…それぞれに良さがあって、どれも美味しいですよね。特に私はハード系のパンが好きです。噛めば噛むほど味がする。

焼き立てのパンの香りは、何にも代えがたい幸せですねえ。

 

 

こんなことがありました。

新入社員の頃、どうしても飲み込むことのできない出来事がありました。所謂、理不尽という名の新人登竜門みたいなものです。そのときは立ち回り方やその場のふるまい方を覚えている途中のことで、どうすべきか分からず右往左往したことを覚えています。

結局、私はその社会で生きるために口を閉ざし、頭を下げ、その日会社を後にしました。

何もできない悔しさともやもやをお腹の中に抱えて。

 

 

そんな帰り道、地元のパン屋の前を通りかかるとパンがすべて半額で売ってありました。

普段から買っているお気に入りのパン屋さん。パンもたくさん残っている。

そのときばかりは買うしかないと思い、8個選び買って帰りました。お惣菜系からあんパンなどの甘い系、そして人気のフランスパン1本。余談ですが、このフランスパンが本当においしくて、チーズと合わせて食べるのが好きでした。ああまた食べたい。

 

家に着き、さあ食べようと思ったものの、お腹の中には会社でのもやもやが渦巻いており。人間疲れ果てていると、食事をしたくなくなるものなんでしょうか。その日はお風呂に入るだけで精一杯で、結局食べずに就寝することに。

 

 

次の日はラッキーなことに休みの日でした。お昼に近い時間に起き、さすがにお腹がすいたため、昨日買ったパンを食べ始めました。

そのおいしさと言ったら、何にも言い難かったです。元々お気に入りのパン屋でしたから美味しいのは当たり前なんですが、それでも苦しみが洗われるような気持ちになったのは初めてでした。

 

ひとつまたひとつと食べ進み、気づいたらあっという間に8個食べていました。フランスパン1本含め。

そして一度ついた火は止まらず、さらに家にあった6枚切りの食パン2枚も完食。

 

 

しばらくは美味しいパンを食べ続けられるな~と思っていた矢先にすべて食べきるなんて。

それでも後悔はまったくありませんでした。なんならまだ食べれられると思ったくらい。

後にも先にも、パンを一度にあれだけ食べたことはありません。

 

でもあの時は、あの美味しいパンたちに救われたような気がしています。食べる元気があれば、まだやっていける。やれる。そう思えたのですから。

 

 

お題の「大食いに挑戦するなら何で挑戦する?」を見て、そんな新入社員時代のほろ苦い思い出がよみがえりました。

いちど心ゆくまで美味しいパンを食べ続けたいものです。

大食い、できるかな。

 

 

お題「大食いに挑戦するなら何で挑戦する?」