本・映画感想

守り守られて生きているー『幸福な食卓』を読んで

学生の頃から、瀬尾まいこさんの小説が好きです。新刊が出るたびに図書館に通いつめ、読んでいました。 どの本も文章は優しいけれど、とても現実的。うまくいくことばかりではなくて時に救われないけれど、それでも人生は続いていくということを淡々と描いて…

ほんの数時間が、人生を支える芯となるー映画『タイタニック』を観て

初めてタイタニックを観たとき、私はまだ小学生だったと思います。なので悲しい結末を迎える壮大なラブストーリーということ、セリーヌ・ディオンの主題歌が有名ということぐらいしか覚えていませんでした。 それから何度か見る機会がありましたが、あまり印…

そこに在るモノー『日々の100』を読んで

今、自分の身の回りにあるモノを、どれだけ認識し物語を語ることができますか。 日常に溶け込み、そこに在るのが当たり前のように感じるモノも実はそうではないということ。そんな日常に、ふと気づくことがあります。 立ち止まって周りを見渡してみる。そん…

私の「チーズ」を探すー『チーズはどこへ消えた?』を読んで

この本のタイトルを、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。いまやビジネス書の定番の本です。1998年にアメリカで発売以来全世界で愛され、2800万部を超えるベストセラーとなっています。 本自体が薄いので読みやすく、1時間~2時間もあれば読め…

毎日が自分を作るー『太陽のパスタ、豆のスープ』を読んで

宮下奈都さんといえば、何の作品を思い付くでしょうか。『よろこびの歌』?『羊と鋼の森』?『羊と鋼の森』は映画化もされましたね。あの映画も素敵でした。 そんな宮下奈都さんの本で、私が一番好きなのが『太陽のパスタ、豆のスープ』です。図書館で偶然手…

正しさを求めすぎないー『まじめに生きるって損ですか?』を読んで

「こじらせ女子」というキーワードをご存じでしょうか。自尊心が低く、無意識のうちにひねくれた思考をする女性のことだそうです。 …あまりポジティブなイメージではないですね。 この言葉、2011年に出版された『女子をこじらせて』という書籍で初出し、2013…

人との関わり合いの中に見い出すものー映画『マイ・インターン』を見て

折を見て、何度でも見たくなる映画がありませんか。 私にとって『マイ・インターン』がその中のひとつです。 今回はそんな映画『マイ・インターン』をご紹介します。 www.youtube.com 作品情報 あらすじ 感想 フレーズ 作品情報 原題 The Intern 公開年 2015…

純粋に日常を生きているー『旅と小鳥と金木犀 天然日和2』を読んで

みなさん、石田ゆり子さんのエッセイをご存じでしょうか。 私は3冊持っています。今回はその中の1冊、『旅と小鳥と金木犀 天然日和2』をご紹介します。 作品情報 あらすじ・作品説明 感想 フレーズ 作品情報 著者 石田ゆり子 発売日 2009年4月10日 出版社 幻…

声が届いたときー『52ヘルツのクジラたち』を読んで

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。 初めて目にした時、そのタイトルと美しい装丁に惹かれました。 そんな『52ヘルツの…