ほんの数時間が、人生を支える芯となるー映画『タイタニック』を観て

 

初めてタイタニックを観たとき、私はまだ小学生だったと思います。なので悲しい結末を迎える壮大なラブストーリーということ、セリーヌ・ディオンの主題歌が有名ということぐらいしか覚えていませんでした。

それから何度か見る機会がありましたが、あまり印象に残らず…

 

先月、土曜プレミアムで放送されてから改めて見返しました。すると、今まで持っていた印象がガラリと変わったのです。

ラブストーリーという括りだけで凝りかたまっていた自分の思考が恥ずかしい。

 

今回はそんな、不朽の名作『タイタニック』の感想です。


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作品情報

原題   Titanic

公開年  1997年

上演時間 194分

監督   ジェームズ・キャメロン

出演者  レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレット 他

作品導入

1996年、タイタニック号が沈んでから84年が過ぎた年。トレジャーハンターのブロック・ラベット一行は、タイタニック号と一緒に沈んだとされているダイヤ「碧洋のハート」の捜索のため、海底に沈んだタイタニック号の調査を行っていた。

小型潜水艇を用いた何度目かの潜水でタイタニック号から出てきたのは、1つの金庫だった。金庫をこじあけるとそこには「碧洋のハート」ではなく、そのダイヤを身に着けた女性の絵が入っていた。ロベットはこの女性の絵の発見をTVで伝えると、ローズ・カルバートという老女から連絡が入る。なんとローズがその絵のモデルだというのだ。

ローズは、孫娘とともに調査団の船を訪れる。そして、タイタニック号沈没の知られざる話を語り始める。

感想

まず思ったのは、こんな導入だったの?というところでした。

タイタニック号のお宝を探して、金庫を見つけその中にローズ(ケイト・ウィンスレット)の絵を見つける。それをTVで見た年老いたローズが連絡し、タイタニック号の話を語り始める。

 

私が覚えていたのは、ジャック(レオナルド・ディカプリオ)がポーカーでタイタニックのチケットを手に入れるところからでした。ローズの絵は描いているシーンは覚えていたけれど、金庫の中から泥だらけで見つかるところはまったく覚えておらず。記憶って曖昧です。

 

 

登場人物を見ていると、当時の社会の在り方やその中で生きる人たちの人間性について考えさせられるところがあります。

特にローズの母親のセリフや考え、キャル(ローズの婚約者)のローズへの対応は、子どもの頃からどうしてこんなに嫌な言い方をするのだろうと思ったものでした。

ですが、今は少し違うように感じます。もちろん嫌味な部分を感じることはあるのですが、当時の階級の考え方やキャルの立場や想いを想像すると、ただ単に「嫌なひと」の括りにはいれることができません。

多少なりとも、私自身が社会に揉まれて様々な人にあったからこそ分かるようになったことかもしれません。

 

 

歳を取っても覚えていること、忘れられないことはあるだろうと思います。

実際、何かをトリガーにして鮮明に思い出すということは良くあることです。特にそれが強烈な印象を与えたものや、習慣となっていたようなものであれば。

 

このタイタニック号でのことは、ローズにとってどのような位置づけなんでしょう。

年老いたローズを見ていると、タイタニックから助かりどうやって生きてきたのだろうと想像します。その後のローズの生き方を写真でさらりと流してありましたが、とても気になりました。

最後のシーンをジェームズ・キャメロン監督が観た人に解釈は任せると言っているそうなので、ローズの生き方もまた想像してみるのもいいのではないでしょうか。

フレーズ

I figure life is a gift and I don't intend on wasting it.

人生は贈り物だと思っています。僕は無駄にするつもりはありません。

 

You never know what hand you're gonna get dealt next.

みんな次にどんなカードが配られるのかを知ることはできませんから。

 

You learn to take life as it comes at you to make each day count.

与えられた人生が来るだけです。だから毎日を大切にしたい。

 

ジャックが食事会に招待され、言ったセリフです。

有名なセリフですが、改めて見てもやはりかっこいいですね。ジャックの自分の思うままに生きるということには憧れますが、実際やるとなると…でも心の有り方を真似することはできるなあと思います。

 

 

 

名作は、何度見ても良いですね。

タイタニックはラブストーリー視点で見ても、ローズ視点で見ても、ジャック視点で見てもそれぞれの良さがあって面白いです。

 

きっとまた見るときには、気になるところが変わっているのでしょう。

それも映画の醍醐味ですね。