この本のタイトルを、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。いまやビジネス書の定番の本です。1998年にアメリカで発売以来全世界で愛され、2800万部を超えるベストセラーとなっています。
本自体が薄いので読みやすく、1時間~2時間もあれば読めると思います。家にも置いておきやすいですよ。私は買って置いています。
今回は、そんな『チーズはどこへ消えた?』をご紹介します。
作品情報
著者 スペンサー・ジョンソン Spencer Johnson, M.D.
翻訳 門田美鈴
発売日 (米)1998年9月、(日)2000年11月
出版社 扶桑社
あらすじ・作品説明
この物語に登場するのはー
ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホー。
2匹と2人は「迷路」のなかに住み、「チーズ」を探します。
「チーズ」とは、
私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定……等々の象徴。
「迷路」とは、
チーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭……等々の象徴です。
この一見シンプルな物語には、状況の変化にいかに対応すべきかを説く、深い内容が込められているのです。
(カバー表紙そでより)
感想
生きていれば、状況は常に変化していきます。その変化に対応することができるか否かというところで、考えすぎて一歩が踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
変化に対応していくということはもちろん大事です。だけれど、日々の変化を注意深く観察して、記録するということもまた同じくらい大切だと感じます。
観察していなければ、変化していると気づくことができません。良い方にも、悪い方にも。
良い方向に変化しているとき、そのままでいようとするでしょう。うまくいっているのだから自分が変わる必要がなく、そのままの流れに乗ることも人間の気持ちとしては分かります。
けれど、それがいつまで続くかはわかりませんよね。
悪い方向に変化しているとき、気づく人と気づかない人に分かれます。
さらに気づいた人の中で素早く行動する人と、今までうまくいっていたんだから変化する必要がないと思う人とで別れると思います。
変化する必要がないと思う人、分かります。私もそう考えてしまったこともあります。自分で探すのではなくて、運まかせにしてしまう。でもそう都合良くはいかないし、例えうまくいったとしても、それは何時になることでしょうか。
そして気づかない人にいたっては…後の祭り、です。
でもそうなる可能性だって十分にあるのです。現実では。
良い方向でも悪い方向でも、状況が変化しているのに自分が変わらないままでいたら、その先に何があるのか。
「迷路」を必要以上に怖がりすぎず、自分が追い求める「チーズ」を見極めていなければならないなと思います。
フレーズ
自分を幸せにしてくれるのは、ただチーズを手に入れることではない、とわかったのだ。(スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』p55)
小人のホーが、新しいチーズを探す過程で思ったこと。目的のものを手に入れるだけではなくて、その過程で得られたものがあるということが分かります。
私は、自分と自分の行動がばかばかしく思えるようになったとたん、変わりはじめたのだ。自分が変わるには、自らの愚かさをあざ笑うことだ。そうすれば見切りをつけ、前進することができるのだ。(スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』p64)
実際渦中にいたら、ここまで清々しく思えないかもしれません。けれど動き始めたことで、こんな風に後から意味づけすることもできるのではないかなと。
いかがでしたでしょうか。
本中に、小人のホーがヘム(動けない小人)に向かって書く文言がいくつか出てくるのですが、それをぜひ自分の目で確かめてほしいです。文言とともにチーズの絵が描いてあって、なんとも可愛らしい。
そしてひとまとめに読んだ方が、一連の流れを掴めると思います。変に抜き出してしまうと、その言葉だけが独り歩きしてしまって意図が伝わらないこともあるので。
シンプルな内容ですが、だからこそ世界で愛されているのも分かるような気がします。