今日も誰かの誕生日


みなさん、こんばんは。

暑い日が続きますね。カラッとした暑さならよいのに、蒸し暑さが身体に堪えます。

日本の夏が来るんだなあ。

 

 

私の住んでいる街には小さなケーキ屋さんがあります。

個人営業のお店で、こじんまりとした佇まい。置いてあるケーキは、いちごのショートケーキやチーズケーキ、チョコレートケーキなどの定番品が多く並ぶ安心したラインナップ。私も一度だけ食べたことがあるのですが、万人から好かれる優しい美味さです。

 

そのケーキ屋さんの入り口には、今日のお誕生日の人の名前が書いてあるボードが置いてありまして。

誕生日ケーキを購入したら、そのボードに名前が書かれるんですね。苗字は書かず、下の名前だけ。そのボードを見ていると、同じ誕生日の人って多いんだなあと。年齢は書かれないので生まれ年は違うでしょうが、ボードを見かけるたびにたくさんの名前が書いてあるのを見ると少し驚きます。

子どもだったら誕生日の次の日学校に行ったら、ボードに名前書かれてたね、なんて話したりするのかな。嬉しいような恥ずかしいような。

地域密着、ってこういうお店のことを言うのだろうなあ。地元の人たちに愛されるお店。

 

 

見ていると、ふいに「今日は○○さんの誕生日だ」と思い出すことがあります。わりと人の誕生日を覚えるのが得意なこともあって、お誕生日を聞くとセットで覚えてしまって。5月なんかは2週間ほど誰かの誕生日で続きます。

中学校で仲の良かった友人、お世話になった先輩後輩、新卒で入った会社の同期、遠く離れた地に住む親戚...もう思い出さなくなった人たちもいますが、不思議なものです。

 

 

その中には、もう永遠に歳を重ねない人達もいます。

その人の誕生日が来るたびに、「もし今生きていたら、何しているのかな」と思いを馳せる。記憶の中では若いままの彼ら彼女らが、どんな風に歳を重ねていったのか想像してみます。そんな歳になったのかあ、幸せに暮らしているといいなあ、なんて頭の中では都合よく物語を作れるので。

 

命日よりも誕生日でその人を思い出していたいです。悲しみよりも笑顔で過ごした日を覚えておきたいですし、一緒に過ごした時間は失われるものではありません。

 

 

そういった意味で誕生日は、その人をとても身近に感じます。

たまには、そういう日があってもいいのではないでしょうか。