幸せは足元に

 

実家では、今までに2匹の犬を飼ってきました。

1匹目は中型犬の女の子。2匹目は小型犬の男の子。飼っている時期はかぶっておらず、ご縁あって飼うことになったワンコ達です。

 

実家に住んでいるとき、帰宅すると尻尾を振って喜んでくれるのが本当に可愛くて幸せでした。大体帰ってくることが分かるのでしょう、待ち構えていたように玄関で待ってくれているのです。

疲れて帰ったときに、迎えてくれる誰かがいることの幸せには何にも代えがたいです。

 

 

玄関で飼っていたので、私が構ってほしいときにはよく玄関へ行っていました。

帰宅時には尻尾を振って大喜びしてくれるのに、遊ぼうとするとそうでもない笑。おやつをあげたら喜んで食べるけれど、そこまで。ボールやヒモには興味のない子たちでしたねえ。散歩が好きだったので、運動不足にはならなかったですが。

撫でたりブラッシングしたりして、私が一方的に構い倒していました。

 

 

あるとき、玄関でいつものようにおやつをあげてブラッシングをしていました。その日は色々なことがあり落ち込んでいたので、ぼんやりしながらブラッシングをしていました。

そういうのに、犬って気づくんですよね。いつもは特に反応しないのに、妙に目を見てきたり手を舐めてきたり。最終的に座っている私の足元に、身体を摺り寄せてぴったりくっついてきました。

 

 

身体の寄せ方は犬によって違いました。

1匹目の子は真横にぴったりくっついてきて、私が体育座りをしていれば足の下に潜り込んできます。伏せをしながら顔は私の方を向いている状態で、尻尾を振っていました。その様子がなんだかとても可愛らしくて、いつもと違う表情だったことを覚えています。

2匹目の子はお尻だけ私の足元にくっつけます。そのまま背中を撫でていたら時折ちらりと振り返るんですよね。普段されるがままなのに、その日は私を伺いながら撫でさせてくれているようで少しこそばゆい気持ちでした。

普段塩対応の犬たちが空気を察してくれたのかなあと、そんな気がする日でした。

足元の温かさに、少し救われました。

 

 

2匹とも、よく飼い主の表情を見ていましたねえ。

そして飼い主への構い方がちょっと違いました。1匹目の子の方が「私で元気出して~」となんならいつもより元気にふるまうのに対し、2匹目の子は「しかたないなあ」とちょっとめんどくさそうで笑。でも気になるからそわそわしてしまう、ツンデレ風味がありました。

どちらもその子の性格でしょうか。とても愛おしいです。

 

 

すでに2匹とも虹の橋を渡ってしまい、数年の時が経ちました。

実家に帰り玄関に入ると、まだあの子たちの気配がするようで懐かしいような寂しいような気持ちになります。

 

お盆には、あの子たちも帰ってきてたのかなあ。

 

お題「ペットと一緒に暮らしていて一番幸せを感じた瞬間」