社会に出てから最初に買ったものというか、働き始めてから初めて意識して「これを買うぞ!」と思ったものがあります。
それは長財布です。
それまでは、二つ折りの財布を使っていました。
持ち運びがしやすくカードの枚数も多く入るので、特に不自由はしていなかったのですが、ひとつだけ不満がありました。それは小銭入れの部分です。
小銭入れの部分を開くとお札を出しにくく、いつもお会計時にばたばたしてしまうのが嫌だったのです。でもそれ以外のところは気に入っていて、デザインもシンプルで長く使えるものだったので長く使用していました。
社会に出て初めてのお給料をいただいたときは、特に何かを買おうとは思っていませんでした。お給料は生活費として扱っていましたし、今特別欲しいものが無ければ何か欲しくなった時に買えるようにと思い貯金に回したことを覚えています。
友人や同期は記念になるものを買ったり、少し良いところへ食事に行ったりしていましたねえ。それも良いお金の使い方だと思います。
そんな私が長財布を買おうと思ったのは、初めてのボーナスの時でした。
ボーナスって、いかにも社会人のような気がしてドキドキしませんか。学生時代のアルバイトでは無かった「賞与」。月々のお給料に加えてもらえるお金があるなんて、なんだかとても大人になった気分がしました。
社会人一年目のボーナスなので大した額では無かったのですが、いただけるだけでもありがたくて。そしてとても嬉しかったです。
いざボーナスの明細を見たときに、「このお金は何かに使おう」と思いました。
生活費として充てなくても良いお金。もちろん貯金に回しておけば何かの時に使えるのは分かっていたのですが、ふと財布を買い換えようかなあと思い付いたのです。
それから色々なところの長財布を調べて、実際に百貨店へ見に行きましたね。毎日使うものだから手に馴染んで使いやすいものが良いと思い、慎重に見て回ったのを覚えています。
最終的にポール・スミスの財布にしました。とてもシンプルな、無地の長財布。箱に包まれた財布を家で開けたとき、何とも言えない嬉しさがこみ上げてきました。
それまでブランド品にこだわりはなく、ブランドよりもまずは使いやすいものがいいと思っていたのでノーブランドが多かったのです。でもいざポール・スミスの財布を持つと、大人になったんだなあと今までには無かった感情がわいてきました。ブランド品を持つと、ちゃんとしようと背筋が伸びましたね。単純ですが笑。
それが社会人になって初めての「ご褒美」です。
今もその財布は家にあります。
二つ折りの財布と併用しながらですが、いまだに現役で使用しています。最近はキャッシュレスになって長財布の必要性もあまりなくなってきましたが、それでもこの財布は手放せないだろうなあ。
ポール・スミスの財布を見るたびに、初めてのボーナスの嬉しさを思い出します。
きっとこの先も忘れられないでしょうね。