よく行くスーパーには、とても早くレジを通してくださる方がいます。
何より、早い。そして丁寧。潰れやすいものはビニール袋に入れてくださるし、カゴからカゴに移すのもきっちりと整理されているので見ていて気持ちが良いです。
でもそれだけではなかったのです。
私がカゴからマイバッグに移しかえるとき、入れるのに迷わないんですよね。重いもの・固いパッケージのものを下に入れるのを分かっていて、でもレジを通してカゴに入れるときは柔らかいものが潰れないように避けてカゴに詰めてくださっている。
精算が終わってレジから荷物の詰め替え台に移動するときも、片方に傾かない。ということは、ある程度均等に置いてくださっているのも分かります。
ひとつひとつの動作が、スムーズで無駄がないんです。レジの方も、私にとっても。
熟練のなせる業というか、配慮が行き届いているというか。それを自然とされているのが凄いなあといつも思います。
最近はセルフレジが普及して、コロナ禍もあったのでセルフレジの方に回ることが多くなっていました。偶に、セルフレジの方が混んでいたり機械が故障していたりするとレジに行くことがあります。
そうすると、レジってやっぱり良いなあと思うんですよね。
自分では気づかなかった配慮の仕方だったり声掛けだったり、人間模様が垣間見える瞬間があって。それはお客さんの方にも感じることがあります。
例えば新人の方がレジをされていて、精算作業をされているとき。レジを通しておられた年配の方が「私もゆっくりだから急がなくていいわよ~丁寧にしてくれてありがとう」と声をかけておられるのを見ると、いいなあと思います。
私はそういう、柔らかな声掛けをしたことが無かったなと恥ずかしくもなります。
私はいわゆるレジというものを経験したことはないのですが、以前受付をしていたことがありまして。
それは来訪者の受付と帰り際の精算の両方を兼ねているものでした。
初日に受付をしていた時。いつも来られているという方が「貴女、見ない顔ね」と受付の際に声をかけてくださって。初日のド緊張の最中だったのでその時は気の利いた返事ができず、また他の方の対応に追われていてバタバタとしていました。
その方が帰り際の精算を終えた後、声を掛けてくださったんです。
「貴女は大丈夫よ。丁寧にしてくれてありがとう。その調子でね」と。
その言葉に泣きそうになりましたねえ。
これといった対応はできていなかったのでリップサービスもあると思うのですが、そう言葉をかけてくださったのが嬉しかったです。
見ず知らずの人の「大丈夫」に、これほど救われたこともまた無いですね。
そういうちょっとした声掛けができる人っていいですよね。
私も気づける人間でありたいと思います。