戻ってきたのは

 

ふいに、「音楽が聴きたい」と思った。

 

以前こんな投稿をしました。

mmakeithappen.hatenablog.com

 

いつからか止めてしまっていた音楽を聴く習慣。

イヤホンすら持ち歩かなくなって、自宅でも音楽を流すことが無くなっていました。音楽番組やYouTubeなどの配信も、見ることが無くなっていました。

 

そんな中、私が以前好んで聴いていた歌手の誕生日がありました。誕生日の朝にふいに浮かんでくる、その人の顔。そして歌声。

「ああ誕生日かあ」と思い出して、何歳になったんだろうと計算して。こういう時、私は自分自身の年齢を基準にして計算するので、必然的に自分の年齢も意識します。その人も歳を取ったけれど、私も同じように歳を取ったんだなあと実感。

 

好んで聴くようになってから何年経ったんだろう、あの時は何をしていたかなと色々なことを思い出しているうちに、「音楽が聴きたいなあ」とふいに思ったのです。

とても自然に、今まで音楽を聴くことを止めていたのを忘れたかのように。

 

 

それからイヤホンを手に取り、久しぶりに聴いてみました。

聴くのはもちろん誕生日のあの歌手の曲。その人の曲で好きだったものを選んで流すと、驚くくらい耳に馴染んで。

随分聞いていなかったのに、覚えているメロディーや歌詞。当時のように、楽しんで聴くことのできた自分に、少し安心しました。

 

私が当時に戻ったのではなくて、無くなっていたものが私の中に戻ってきた感覚です。形は多少変わってはいるけれど、すっと戻ってきて馴染んでいる。今の私にも違和感がなく、そこにいてくれるような。

 

 

聴く余裕が戻ってきたのかなあと思います。

いっぱいいっぱいだった心の容量が少しずつ整理されて、要らなくなったものが消えて隙間が空いたようですね。

そういう空間がないと、きっとすんなりと受け入れられなかっただろうなあと。少なくとも嬉しいや安心するといった、ポジティブな気持ちにはならなかったように思います。

 

その日から、少しずつ音楽を聴く時間が増え始めました。懐かしい曲をリピートしてみたり、今までサビだけ聞いていた曲をフルで一曲聴いてみたり。その度に新しい気持ちになります。

懐かしい曲も、当時とは違った気持ちになるのです。歌詞に共感したりメロディーが好きだったり好きだった気持ちは様々ですが、やっぱり良いなあと。それもまた新しい気持ちです。

できることなら、生音が聴きたいなあ。

 

 

今はただ、純粋に「音楽を楽しめるようになって良かった」と思います。

でも、ほんの少しだけ苦しいような寂しいようなそんな感覚もあります。当時の私とはずいぶん違ってしまった今の自分に、情けなさやら不甲斐なさを感じて。

受け入れられていない自分が、まだあるのでしょうね。

この辺は今後の課題かなあ。